glo(グロー)の販売戦略 人気を高めるためには

全国販売が始まったグローですが、これまでの戦略は素人が見ていても少し問題があったのではないかと感じるほどでした。もちろん裏の事情は分からないですし、こっちは言いたいことを言ってるだけなので真実は分かりませんが。全国販売が出来てここがゴールということではありません。グローが人気を獲得するためには何が必要なのでしょうか。

 地域販売から全国販売へ

アイコスもプルームテックもまずは地域限定販売という流れから始まりました。ここではアイコスを中心に話しますが、アイコスが地域限定販売を終え、全国販売になった理由は何だったのでしょうか。当初はアイコスがこれほど売れるとは多くの人が思わなかったかと思います。ということは、先行販売されていた名古屋ですらそれほど多くの数を販売できていなかったのではないでしょうか。売れなくても生産を続けていれば在庫はあまり続けるので、全国に拡散するという流れになった可能性は高いと考えています。ちょうどグローと同じ状況ですね。この時点でもまだアイコスがここまで売れるとは思っていませんでしたし、実際売り始めてすぐの頃には、そこらじゅうのコンビニで売られていました。飲み屋でも販売員がガンガン売り込んできていてそれくらい在庫としてはあまっていたのだと思います。しかし、そんなアイコスも突然火がつき一気に入手困難となりました。一気に増産を始めたとは思いますが、全然追いつかないけど出せばバンバン売れるといううれしい悲鳴だったことでしょう。結果、多くの人にアイコスが行き渡り大きな利益を生んでることかと思います。アイコスは手探り状態ではあったわけですが、この流れで間違っていなかったのではないかと思います。

次にグローです。グローは後発となるわけですが、非常に苦戦を強いられているかと思います。というのもアイコスが市場を独占しているのでそこに割って入るということはかなり難しいことでしょう。しかしグローも地域限定販売という方法をとりました。その後販売エリアを拡大し、全国販売と進めましたが本当にこの戦略でよかったのでしょうか。

 

フィードバックをしたのか

アイコスの真の事情は知りませんが、在庫をさばくためにも全国で販売を始めたということであれば、それは間違った戦略ではないと思います。その分野の先駆者なので先のことはわかりませんし、地域限定でちまちまやっているよりも全国から浸透させようという思いがあったのではないでしょうか。しかしグローは状況が全く違います。簡単に在庫があまっているから全国販売に移行するという作戦は一定数の利用者は増えるかもしれませんが、多くの人に使われるものにはならないかもしれません。

人はグローを手に取ったとき、必ずアイコスと比べます。アイコスを吸っている人なら当然ですし、普通のタバコを吸っている人でも、「アイコスとグローはどちらが優れているのだろう」と考えることでしょう。そして迷っている人ならどちらも試してみるというのが普通かと思います。比較するというポイントはグローにとってはとても好都合です。この戦いでアイコスより気に入ってもらえればシェアを伸ばせるわけですから。ですので絶対に負けない製品にしていかなければいけないのです。後発のグローにとっては本当に意味のある地域限定の試験販売です。人の意見を聞き、アイコスと比べて何が足りなくて何が優れているのかという部分をしっかりと認識した上でそれをフィードバックしなければなりません。ではグローは何かフィードバックしたのでしょうか。

 

 

味を増やして全国販売へ

グローはいくつも問題点や不満点がありました。特にたくさんの声が上がっていたのが、

  • すぐに味がしなくなってしまう
  • 軽すぎて吸った気がしない
  • 3分間という時間が短い

といった内容です。機械としては見た目は好みもありますが、そこそこ良くできていると思います。しかし一番核心的な部分である、「喫煙する」という部分で問題が多く残っていたのです。これは確実に改良が必要だと思っていました。機械を大幅に変更することが難しいということであればスティックのほうを改良する必要があったと思います。3分は機械の問題なので仕方ないにしても、軽いという問題に関しては改善が必要だったと思います。その辺は新しい味で対応できているのではないかと思います。グローは新たに5種類(全8種類)の銘柄を販売します。これなら選択肢が増えますので自分に合う味を見つけられる可能性は高いかと思います。しかし問題はあります。なんとこれらの新しい味はまずは宮城県限定なのです。せっかく機種は全国販売しても味が選べないのは致命的過ぎます。グローが絶対に植えつけなければいけない印象は、

  • グローの方が美味しい!
  • グローの方が吸った気になる!
  • グローはたくさんの味が選べる!

などというイメージです。今までの3つのラインナップだけが全国で販売されるとなればせっかく試してくれた人が定着しない可能性が高くなります。また、グローはKENTという銘柄を立てて展開しましたが、BATには他にも有名どころのタバコはたくさんあります。例えば紙巻のラッキーストライクを吸っている人がいて、グローにもラッキーストライクのラインナップがあれば、まずは試してみることでしょう。しかし現在はアイコスがマルボロ、グローがKENTしか選択肢がないというのなら評価の高いほうに流れてしまいます。グローはアイコスにはない、銘柄の幅というのを持たせるべきだったように思います。

 

 

ハード的なメリットの告知もない

販売地域の限定は置いておいて、スティックの種類が増えるということは良い戦略だったと思います。そして次はハードの方です。全国販売を行うなら「グローの本体はこんなにすごい!」ということを告知していかなければいけません。グローのホームページを見てみるとすごくもったいない告知をしています。

まずこのタバコはクリーンであるということを推しています。もちろんこれは大切なことなのですが、アイコスと同じです。そして、「科学的に紙タバコより体に悪くないということを証明していきます。」であったり、「周りから何度で温めます」などが書かれています。違いますよね?そんなこと吸う人にとってどうでもいいのです。問題はアイコスと比べてどんなところが優れているのかということをメインに書いていかなければいけないのです。

例えばアイコスは分離式です。グローは一体式となっているため、そこにメリットは生まれると思います。公式サイトでも一体式であることは書かれていますが、一体だと何がメリットになるのかということを書かなければいけません。例えば充電が一つでいいとかを強く告知する必要はあると思います。私もこれまでアイコスとグローを比較した記事を書いてきましたが、少なくとも

  • 充電がラク
  • とても汚れにくい
  • ブレードではないので壊れる気配がない
  • スティックを刺すのに力が要らない(年配の方にオススメ)
  • 連続して何本でも吸える
  • 吸って片付けるまでの工程が短い

などなどあると思います。これを全面的に押し出さなければいけないと思います。テクノロジー話なんてどうでもいいのです。比べるものもアイコスとプルームテックしかないのですからもっと現実的に違いを告知する必要があったと思います。

 

 

最後に

確かにグローとアイコスの差はどんどん広がある一方で焦る気持ちもあったと思います。しかし、後だしなのですからそれなりのものを用意しないと当然シェアなど奪えませんし、後出しである意味がありません。製品としては味をアイコスより多くするという作戦に出たわけですが、これは本当に良いことだと思います。ただ、宮城限定で販売したら逆効果になりそうな気がしています。全部の味が全国販売されてから買おうと思う人も出てくるでしょう。また、宣伝の方法はいくらでも変えられるのでもっと魅力的な告知を行うべきです。今のグローの告知は基本的な機械のことと、タバコがクリーンであるということくらいしか書いていません。もっと工夫すれば興味を持つ人はたくさんいます。以前の記事にもありますが、私の祖母にグローを使ってもらったときも使いこなすことが出来ました。アイコスはすぐ壊してしまったんですけどね。そういった部分を全面的に出していくべきです。とはいっても1年後くらいには半々くらいのシェアになってる可能性はありますので現状なんともいえません。ただ現状シェアをごっそり奪うには少々弱いかと思います。先のことは分かりませんが、「グロー日本から撤退!」といったことにならないよう祈りたいですね。