会社の上司は中が悪い

どんな会社でも上司はいます。社長や、会長と呼ばれるようになるまで、永遠と上司は存在し、その社長さえも顧客の前では頭を下げます。そうやって人間関係はぐるぐる回ります。会社の舵を切っていく上層部たちですが、いまいち仲がよくなかったりします。それは一体なぜでしょうか。

 上層部の年齢はその会社によって違いはあると思いますが、上層部間の年齢の幅はそれほど大きくないはずです。20歳と60歳の上層部を持つ会社はなかなかいないでしょう。かつては、入社を共にした同期なんてこともあります。いつから仲の悪い関係になったと言うのでしょうか。

 

 

私が思うに親と子供関係だと思っています。子供は、全てにおいて責任が取れません。良いことも悪いことも大人が教え、学んでいかなければいけません。悪いことをしてしまった際の責任は誰にあるのかといえば、当然子供も悪いのですが、親が悪いと言われ、責任は親に取らされるわけです。親に限った話ではなく、例えば子供が格闘技を習っていてその技を他の子供に使い相手を怪我させてしまった場合、その責任は、親にもあるかもしれませんが、格闘技を教えた大人にも責任があるという考え方もあります。子供は悪いことをやっても許されるというわけではありませんが、大人が後ろについていることで多くの罪が軽くなります。

 

そのうち子供も様々なことがわかってきて、20歳にならなくても、大人の風格を漂い始めます。善悪は自分で判断できるようになり、その結果、反抗期を迎えたりなど、今までずっと守ってくれていた人間にすら牙を向けることもあります。もちろんそれは一時的なものである場合が多いですが。

 

会社の場合はどうでしょうか。そこに法律上、子供という存在はありませんが、新入社員から若手、中堅、ベテラン、上層部など20歳前後から65歳くらいまでが会社に在籍しているわけです。新入社員は、先輩からの指導を受け様々学んでいきます。大人ではありますが、入社年数から考えればはっきり言って幼児です。また、先輩も中堅社員に、中堅社員はベテランに、ベテランは上層部に管理されていきます。もし新入社員がミスを起こしたらどうなるでしょう。誰に責任があるのかなんて話になるわけですが、ほとんどが中堅から、ベテランがとることになるでしょう。では中堅社員くらいになるとどうなりますか。これはベテランもしくは上層部が責任を取るでしょう。

 

こういった関係を見ると、親と子供、大人と子供の関係に似ていると思います。最後にベテラン、上層部がミスした場合ですが、この辺から自分で責任を取れたりもします。もちろん社長などの企業トップまで話が行くこともありますが、事柄がそれほど大きくなければ、ベテラン、上層部くらいで事を抑えられるかと思います。そうなると、大人といっていいのかもしれません。

 

自分が子供の頃で考えると大人の絶対権限は親が将有しており、大人の言い争いを見るのはせいぜい夫婦喧嘩くらいです。密接に関わりあう大人が二人しかいないためですね。そのため、多くの家庭では父と母の思想が子に伝えられ成長していきます。もちろん学校の先生など外部の教育もありますが、基本的には、親からの教育方針が最も影響し、ブレる事なく成長していきます。教育方針を打ち出すのは親という一点のみだから基本的には触ブレません。

 

会社でベテラン、上層部という大人は何人いるでしょうか。少ない会社で数人単位、上を見れば100も200も存在する事でしょう。ベテラン社員が40歳くらいからだと仮定します。自分が生まれて20歳まで子供扱いさせられ、会社に入社した後も20年間子供として仕事をすると言うことは、私たちはずっとずっと子供でいるようなものです。そんななか急に40歳になり会社で大人になった。その時辺りを見渡せば、たくさんの大人いるわけです。これまで大人は親か、自分の部署のトップしかいない生活をしてきたのに突然密接に関わる大人が膨大に溢れます。そうすると大人の喧嘩をします。思想の違いです。

 

今までいろんな人の教育してもらい、成長してきた自分ですが、他の人たちも自分とは全く違うルートで成長してきています。当時は同期で仲がよかったとしても、それは子供の友達同士といったところでしょう。大人になった時には教育方針の違いから、お互いに受け入れられない関係になっている可能性があるわけです。こうして大人たちは仲が悪くなっていくのではないかなと思います。

 

もちろん、「出世の邪魔をするから」や「人間的に嫌いだから」といった感情はあるかもしれませんが、会社で若手と呼ばれている時に、上層部に対して「人間的に嫌いだから」という理由が通用するでしょうか。そんなわけはなく、理不尽なことを言われても我慢するか、退職するなどしかないかと思います。しかし、ベテランとなり大人になればそういった理由を押し出すことができます。できるというよりは、価値観の違いを「嫌い」と表現することに対して誰も抑止しないのです。

 

やってることは子供の喧嘩と同じなのかもしれません。これでは本当に大人なのかわからないですね。もしかしたら私たちはこの命が尽きるまで子供なのかもしれません。

 

私の会社の上司も仲のいい人はいますが、悪い人もたくさんいます。理不尽というか子供じみたような小さな嫌がらせを命令させられたりもします。そんなとき私は思います。「自分が大人になったらもっと良い環境を作りたい」と。しかし、今ならそれもうまくいかないんじゃないかともお思います。そもそも、「大人になったら」「作りたい」などこれは未来に大人になる自分が持つ信念だからということに気がついたからです。それを大人になって実行するということは、別の思想を持った人と対立しなければいけないのかもしれません。そうなると仲が悪くなることは絶対に避けられないのが大人の関係なのかもしれないですね。

 

ただ、仲が悪くなるということが悪いことなのかと言われると果たしてどうなのでしょうか。表面的には気持ちのいいものではないかもしれませんが、社会のあり方、会社の成長には必要不可欠なことなのかもしれません、仲良しこよしでは大きく成長できないのかもしれませんね。それは後からになってからでないとわからないことなのかもしれません。

 

今仲が悪い上司をこうしたらよくなるとかそういった話ではありません。どうして仲が悪くなるのかなということを考えてみたという話です。少々私の妄想も入っていますが。大人になれば避けられない道なのかもしれません。だからそこ頭の片隅に置いておければと思いますね。